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KNOWLEDGE COLUMN

「パナマ」なのに、パナマで作られていない。

名前の誤解から、始めよう。

「パナマハット」を手に取ったとき、多くの人はパナマという国を思い浮かべるかもしれない。しかし実際のところ、パナマハットの主要な産地はエクアドルである。では、なぜ「パナマ」という名前がついたのか。

19世紀、エクアドルで作られたこの帽子は、当時の交易の要所であったパナマを経由して欧米各地へ輸出されていた。そのため、パナマで売られ、パナマから届くものとして「パナマハット」の名が広まったとされる。名前と産地がずれたまま、世界に定着した帽子。それがパナマハットの始まりだ。

素材

素材の名前は、トキーヤ。

パナマハットの素材は、トキーヤ(Carludovica palmata)という植物の若い葉から作られる。エクアドルの沿岸部、とりわけモンテクリスティ地方が、高品質なトキーヤ素材の産地として知られている。

葉をほぐして細く裂き、日光にさらして白く乾燥させたものを手で編み上げる。この工程が、パナマハット特有の軽さと、天然由来の白い清潔感をつくっている。同じ「麦わら帽子」という括りでも、トキーヤ草を使ったパナマハットは質感と風合いが異なる。

品質

編み目が細かいほど、上質とされる。

パナマハットの品質を見分ける目安のひとつが、編み目の細かさと均一さだ。目が細かく揃っているほど、より多くの時間と技術が必要とされる。

最高峰とされる「スーパーファイノ」や「モンテクリスティ」と呼ばれるグレードは、一点を仕上げるのに数週間から数ヶ月を要することもあるという。また、良質なパナマハットは繊維の柔軟性が高く、丸めて収納できるものもある。これは素材本来の性質によるもので、パナマハットならではの特徴のひとつだ。

手に取ったとき、その編み目をじっくり見てみると、帽子の向こう側にある時間と手仕事の痕跡が見えてくるかもしれない。

商品

この知識を手に、選ぶとしたら。

素材や産地の話を知ったうえで手に取るパナマハットは、少し違って見えるかもしれない。当店では、ステットソンやノックス、ボルサリーノ、メゾンバースなど、各ブランドのパナマハットを取り揃えている。

ナチュラルな白さと軽さを持つこの1枚は、春夏のコーデに自然に馴染む。シンプルな着こなしのなかで、ひとつだけちゃんとこだわった帽子をかぶる—そのバランスが、パナマハットの使い方として心地いい。

パナマハットを見る

知ってからかぶると、少し特別に感じる。
エクアドルの草を手で編んだ1枚が、あなたの夏のコーデを決める。